同業者に埋もれる女性起業家へ|実績ゼロでも「選ばれる」差別化コンセプトの作り方

「同業者があまりにも多くて、私なんてもう埋もれてる……」
「実績がある人ならまだしも、これから起業する私が、どうやって選ばれるの?」

女性起業家さんのご相談で、私がいちばんよく聞くのが、この"差別化のお悩み"です。

はじめまして。才能起業®スクール代表のつぐみです。私は公務員から起業し、今では年商億を超える事業を運営しています。そして、これまで100名以上の女性起業家さんに、差別化とコンセプト設計をお伝えしてきました。

その中ではっきり見えてきたことがあります。

それは、「選ばれる人」と「埋もれる人」を分けているのは、実績でも才能でもなく、"コンセプトの見せ方"だということ。

言い換えると、「実績が出てからしか差別化できない」と思い込んでいる人ほど、実は差別化のチャンスを逃しています。

実績がゼロでも――むしろゼロだからこそ――今日から作れる差別化のかたちが、確実にあるんです。

この記事では、私が「キラキラ起業で失敗した人の最後の砦」というコンセプトにたどり着いて売上を大きく伸ばした一次体験も交えながら、女性起業家さんが実践できる差別化コンセプトの作り方を、順を追ってお伝えします。

そもそも、なぜ女性起業家は「同業者に埋もれる」のか

まずは、差別化の話に入る前に、大前提を共有させてください。

私たちが扱っている商品は、「受ける前」に中身で選ばれることが、そもそもない――これが、無形サービスの残酷な現実です。

パン屋さんや洋服屋さんなら、目の前に商品があります。焼きたてのパンの匂い、生地の手触り、色――お客様は「モノ」を見て、五感で判断できます。

でも、コンサル・コーチ・カウンセラー・セラピスト・講師業のような無形サービスは、まったく違います。

お客様は、あなたのセッションを"受けてみるまで"、中身の良さを絶対に判断できません。どんなに素晴らしいコンサルティングを提供していても、まだ体験していない人にとっては、他の同業者と何ひとつ変わって見えないんです。

これは、本当に残酷なようで、実はとても大事な視点です。

なぜなら――「中身で勝負しよう」と頑張るほど、差別化は遠のいていくからです。

「私は他の人よりコンサル力があります」「私のカウンセリングは深いです」――これらは全部、受けてみないと分からないこと。だから、いくら発信しても伝わらない。同業者と同じことを言っているようにしか見えない。結果、埋もれる。

じゃあ、どうすればいいのか。ここからが本題です。

差別化の第一歩は「エルメスの袋」を用意すること

私が生徒さんによくお伝えするたとえ話があります。

「まず、あなたのサービスに"エルメスの袋"を用意しましょう」

想像してみてください。同じジュエリーがあったとして、無地の茶色い紙袋に入っているのと、エルメスのオレンジの袋に入っているのとでは、あなたの中で"価値の見え方"が、まったく変わりませんか?

中身は同じかもしれません。でも、袋(=見せ方)が違うだけで、受け取る印象は天と地ほど変わる。

これが、無形サービスにおける「コンセプト」の役割です。

コンセプトとは、あなたのサービスを、お客様が"受ける前に"価値として受け取れる形にするための"袋"。中身がどれだけ良くても、袋がなければ気づかれません。逆に、袋さえ整えれば、中身のイメージまで先に伝わっていくんです。

多くの女性起業家さんは、この"袋"を整える前に、「もっと勉強しよう」「もっとスキルを磨こう」と、中身ばかりを磨こうとします。もちろん中身は大事です。でも、袋がないと、そもそもお客様の目に留まらない。これが同業者に埋もれる最大の原因です。

やっていることは同じでいい|「手段」を変えるだけで特別になる

「でも、私にはとくべつな強みがないんです」 「他の人と、やっていることが結局同じなんです」

――大丈夫です。やっていることは、同じでいいんです。

これも私がよくお伝えする話なのですが、たとえば同じ「女性の心のサポート」をしている人が3人いたとします。

  • Aさん:カウンセラー
  • Bさん:コーチ
  • Cさん:手帳カウンセラー

やっていること(=女性の心の整理を手伝う)は、実は3人とも大差ありません。でも、Cさんだけ、なんだか気になりませんか?

「手帳"を通して"心を整える人」という切り取り方をしただけで、Cさんは他の2人と別カテゴリーに立てます。カウンセラー同士で並ばず、手帳を使ったパーソナルサポートという新しい棚に、たった一人で並ぶわけです。

これが、差別化の本質です。中身を変える必要はない。「切り口」=「手段の見せ方」を変えるだけでいい。

あなたの"得意なツール"や"好きなもの"を掛け合わせる

差別化コンセプトを作るときは、「私はこれが得意」「これが好き」「これをよく使う」というものを、あなたの本業と掛け合わせてみてください。

  • カウンセリング × ○○ = ○○カウンセラー
  • コーチング × ○○ = ○○コーチ
  • コンサル × ○○ = ○○コンサル

手帳、香り、色、映画、旅、料理、犬、断捨離、ノート、朝時間、月……。あなたが「これ好きだな」「これは他の人より詳しいな」と思うものと、あなたの本業を組み合わせる。

たったこれだけで、同業者だらけのレッドオーシャンから、あなた一人だけの棚に移動できます。

「表の同業者」と「裏の本当の同業者」を分けてリサーチする

もう一つ、女性起業家さんがハマりがちな落とし穴があります。

それは、リサーチの対象を間違えていること。

たとえばあなたがコンサル業だとして、リサーチする相手を「有名なコンサルタント」ばかりに絞っていませんか? あるいは、キラキラした投稿ばかりの同業者を見て、「私、あの人みたいになれない……」と落ち込んでいませんか?

ここで、私はいつもこうお伝えします。

「表の同業者」と「裏の本当の同業者」を、分けて見てください。

  • 表の同業者:肩書きが同じで、パッと見のジャンルが同じ人(=あなたが今、比較して落ち込んでいる相手)
  • 裏の本当の同業者あなたと同じお客様を、実際に取り合っている人(=あなたが本当にリサーチすべき相手)

たとえば、あなたが「40代女性向けの起業コンサル」だったとしても、あなたのお客様がお財布を開く先は、他の起業コンサルだけとは限りません。副業スクール、資格講座、心理カウンセリング、自己啓発セミナー、旦那さんへの相談――全部、あなたのお客様が「起業に向かうお金と時間」を使い得る先です。

同じ肩書きの人と自分を比べ続けても、差別化は生まれません。「あなたのお客様が本当に迷っている選択肢」の中で、自分がどう選ばれるかを考える。この視点が持てると、差別化のヒントは一気に増えます。

実績ゼロでも今日から使える|差別化コンセプト設計の3ステップ

ここまでの内容を、実際に手を動かせる形に落とし込みます。実績が出ていない今の段階でも、この3ステップで進めれば大丈夫です。

ステップ1|お客様の"本当の悩み"を1人分、深く書き出す

「30代の女性」「起業したい人」――こうした広いターゲットは、コンセプト作りの敵です。

まずは、たった一人の理想のお客様を頭に浮かべて、その人が今夜眠れないほど悩んでいることを、映画のワンシーンのように具体的に書き出してください。

朝起きたときに何を考えていて、通勤中にスマホで何を検索して、夜ベッドに入ったときに何を思って眠れないのか。ここが具体的であればあるほど、後のコンセプトが刺さります。

ステップ2|あなたの"好き・得意・経歴"を全部洗い出す

次に、あなた自身の棚卸しです。仕事に関係するかどうかは考えずに、思いつく限り書いてください。

  • これまでの職歴・経験(例:公務員、看護師、営業、事務、主婦……)
  • 好きなもの・得意なもの(例:手帳、料理、犬、映画、片づけ、朝活……)
  • 挫折・失敗の経験(例:離婚、借金、キラキラ起業の失敗、育児の悩み……)

"仕事に関係なさそうなもの"ほど、差別化の宝です。

関係あるものは同業者もみんな持っています。関係ないものこそ、あなただけの武器になります。

ステップ3|ステップ1とステップ2を掛け合わせる

最後に、ステップ1で書いた「お客様の悩み」と、ステップ2で書いた「あなたの棚卸し」を、線で結んでみてください。

「この悩みには、この経験が効きそう」「この苦手なお客様には、私のあの過去が響きそう」――こうやって組み合わせていくと、あなただけの切り口が必ず見つかります。

コンセプトは、頭で考え抜いて完成するものではありません。組み合わせを紙の上で試すうちに、腑に落ちる形が浮かんでくるものなんです。

私自身も「最後の砦」というコンセプトで、売上が変わりました

ここまで偉そうにお伝えしていますが、実は私自身も、コンセプトが定まる前は本当に苦しかった時期があります。

起業した当初、私はただの「起業コンサル」でした。世の中には星の数ほど起業コンサルがいて、実績もキラキラした人ばかり。「私、何で選ばれるんだろう?」と、正直、埋もれていました。

でも、あるとき自分の過去を棚卸ししたときに、気づいたんです。

私自身、起業前に自己投資で300万以上使って、失敗して、クレジットカードのブラックリストにまで載った経験があります。キラキラした起業スクールに何度も入っては、成果が出ずに絶望した経験もあります。

「これって、私だけの経験じゃないよね? 同じように失敗してきた女性、たくさんいるんじゃない?」

そう思って設定したのが、「キラキラ起業で失敗した女性の"最後の砦"」というコンセプトでした。

すると――それまで届かなかった層のお客様から、続々とお申し込みが入るようになったんです。

「他のスクールで結果が出なくて、最後にたどり着きました」 「もっと早くつぐみさんに出会いたかった」

――そんな声を、日々いただくようになりました。月商1000万に届いたのは、まさにこのコンセプトが定まった前後です。

私が伝えたいのは、「失敗した経験」こそが、実は最強の差別化になるということ。キラキラした実績よりも、「私、同じ地獄を見てきました」という一言のほうが、同じ悩みを持つ女性の心には、はるかに深く届きます。

だからどうか、実績が出ていない今の自分を、責めないでください。あなたの経験は――特に、あなたが「これは黒歴史」と思っているものほど――あなただけの差別化コンセプトの、いちばん強い材料になります。

まとめ|同業者に埋もれないための3つの視点

長くなりましたが、最後に大事なポイントを振り返ります。

  1. 無形サービスは「中身」で選ばれない|まず「エルメスの袋」=コンセプトを整える
  2. やっていることは同じでいい|「手段」や「切り口」を変えるだけで、あなたは特別になる
  3. 表の同業者ではなく、裏の本当の同業者を見る|お客様が本当に迷っている選択肢の中で戦う

そして、実績ゼロでも大丈夫です。むしろ、あなたの過去の失敗や、意外な好き・得意ほど、差別化コンセプトの一番の材料になります。

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とはいえ、「1人でやってみたけど、自分の棚卸しって意外と客観的にできない……」というのが、正直なところですよね。

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